住民の
工事への
関心が低い…
どうすればいい?

マンション大規模修繕は住民が力を合わせて乗り越えるイベントですが
関心を持つ人が少ないため委員だけが苦労している…というのはよく聞かれる話。
今回はこんな住民の意識の問題をご紹介します。

  • #情報発信
  • #トラブル
  • #参加型
  • #工事設計説明会
  • #掲示板
  • 工事に向き合うのは
    難しい…

    分譲マンションでは住民が自分たちの住まいについてじっくり話し合い、管理方針を決めていくものですが、中には、そんな面倒なことにはかかわりたくないと考える方もいらっしゃいます。ましてや十数年に一度やってくる大規模修繕のことなんて、「自分には関係ない」と見て見ぬふりも多いのではないでしょうか。

    しかし、住民のマンション大規模修繕への関心は、表立った行動に現れないだけで、実はかなり高いとも言われています。考えてもみれば、老朽化した建物が一気にきれいになりますし、工事中は普段の生活を制限されたりもしますから、関心を持たないなんて考えにくいですね。

    ですがなにぶん、工事分野の専門的な領域のため「その道に長けた誰かに任せておけばいい」という意識が働き、マンション大規模修繕委員のなり手が集まらなかったり、委員の活動を積極的にフォローしようとする人が出て来なかったりするのかもしれません。するとだんだん役割の押し付け合いに…。本来は、一人ひとりの住民が工事に関心を持ち、全体としてより良い状態を目指していく参加型の工事が望ましいのですが。

  • 住民の関心を
    高める工夫

    マンション大規模修繕開始時に住民の理解と協力を得るために、重要な機会となるのが工事設計説明会です。一般的にこの説明会は、事前に実施した「建物調査」により判断された必要な修繕工事の内容やスケジュール、概算工事費用による資金計画、さらには施工会社選定の方法などを住民の皆さんにお知らせするものです。ただし、決定事項を一方的に伝えるだけでは、住民の工事への意識は向上しません。

    そこで説明会を開催する前に、まず大規模修繕工事実施に関するアンケートを全員に配布して自分たちのマンションの現状と、どこを修繕すべきかについて意識を向けてもらう機会をつくります。そして工事設計説明会に一人でも多くの方に参加してもらい、その場で積極的に意見を出してもらいます。要するに工事計画段階で、区分所有者全員に参加意識を持ってもらうことが大切というわけです。そして大規模修繕委員は、建物調査結果と住民からの意見を元に総合的に検討を行い、工事の範囲、金額、実施予定、施工会社を決定し、総会での審議にかけます。このとき最終的な決定に至った検討の経緯や理由について住民の皆さんに丁寧に報告することで承認が得やすくなり、全員が納得して工事に臨めるようになります。また検討する事項が多い場合や戸数が多い大規模マンションの場合は、この検討の経緯もタイムリーに住民に伝えていくことが理想的です。

    いよいよ工事着工が目前というタイミングには、施工会社から工事期間中のお願い事項などを説明する「工事説明会」を開催します。この説明会は、マンションに住む皆さんと施工会社とのコミュニケーションの第一歩です。工事開始前に住民の方の工事への理解を深め、不安や疑問を出していただき、可能な限り施工会社がこれに対応してよい施工計画を検討することで、マンション全体で大規模修繕工事に取り組む意識が高まります。

  • 継続的な
    コミュニケーション

    また大規模修繕がはじまってからの住民への工事情報発信も、非常に重要なポイントです。工事がはじまると、住民は通行を制限されたり、自転車、自動車を移動させなければならなかったり、洗濯物をベランダに干せないなど、さまざまな制限の中で暮らさなければなりません。しかし、これらの協力が得られないと、工事は思うように進まないのです。

    そこで工事中のお願い事項は、各戸にチラシを配布したり、掲示板で発信したりしますが、この情報が間違っていたり、適切なタイミングで発信されていなかったりすると、トラブルが発生します。ひょっとすると修繕工事自体よりも、住民への情報発信の方が注意しなければならないポイントかもしれません。

    これをうまくやりこなすには、信頼できる工事会社を選ぶことです。経験が豊富で、トラブルに発展しそうなことを熟知しており、丁寧にコミュニケーションを行ってくれる会社なら安心して任せられると思います。そういった会社は情報発信の際にも、連絡先を明確にし、ご意見箱を設けるなどによって住民とのコミュニケーションを重視していますから、問題が起こることは少ないでしょう。もちろん住民の皆さんの方でも常に工事に関心を持ち、「掲示板を見ましたか?」と声をかけあうなどにより、情報を共有し合うことが大切。一大イベントであるマンション大規模修繕をみんなで乗り越えましょう。

この記事のまとめ

工事設計説明会で住民がそれぞれの
意見を発言できるようにし、
みんなを巻き込む参加型修繕工事に!