生活価値を
グレードアップ
する大規模修繕
とは?

大規模修繕は建物が老朽化によって失った美しさや機能を回復させる工事です。
しかし、せっかくの機会ですから、住民の要望に合わせて、
新たな機能を付加する「改修」も検討してみてはいかがですか。

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  • #グレードアップ
  • #老朽化
  • 機能の維持だけでなく、
    向上も検討

    マンションに対して住民が感じる不満は、必ずしも老朽化によるものだけではありません。「新しいマンションにはこんな設備がついているのに、ウチには設けられていない…」「この頃、階段が辛いので支えがほしくなってきた」。こんな不満もあるでしょう。時代が変わり、新しい便利さが当たり前になっていくことと、住民が歳をとリ、価値観が変わっていくこと、それぞれの変化の中で、みんなが求める暮らしは少しずつ変わっていくのです。

    マンション大規模修繕は、老朽化によって損なわれた美観や機能を回復させることが第一の目的ではありますが、せっかく住民の代表者が集まって工事計画を話し合う場がもたれるのですから、この機会に暮らしをよりよくする改修についても話し合ってみてはいかがでしょうか。住民へアンケートを行ってみると改修の要望が集まり、それを実施することでよりよい暮らしが実現されるかもしれません。マイナスをゼロに戻すだけでなく、ゼロからプラスにして資産価値を高めることも、マンション大規模修繕の一つの役割と考えたいですね。

  • まず検討したい
    省エネやバリアフリー

    もし、まだLED照明を導入していないマンションであれば、最初に検討したいのが「共用部分のLED化」です。これにはメリットが多く、長寿命のLEDを採用することで、電球を替える手間やコストを削減でき、切れた電球が放置されている見た目の悪さも改善されます。また、既存の蛍光灯は2030年に生産終了してしまうことが決まっているのでこの面からも、実施を検討するべきでしょう。ちなみに大規模修繕に合わせて照明を取り替える場合、単独で取り替え工事を行うよりも少し費用が抑えられます。

    次に検討されることが多い改修は、バリアフリー化です。高齢化がますます進行していくと予測される日本において、住環境のバリアフリー化は優先的に取り組むべき一つです。具体的には、エントランスの段差解消や車椅子用のスロープの設置、自動ドアへの改修などが考えられます。もちろん各階の階段や廊下に手すりをつけることも有効です。だだし、設置する際に注意したいのは、手すりの分だけ通路スペースが狭くなってしまうので、ゆとりのない通路の場合は慎重な検討が必要です。このほか、大掛かりな工事にはなりますが、エレベーターのないマンションであれば、設置を検討することも考えられます。

    分譲マンションに住みはじめたときはまだ若く、老後を気にしない人も多いのですが、年数が経つにつれてこのようなバリアフリーの配慮が必要になってきます。大規模修繕というせっかくの機会を逃さないようにしましょう。

  • 宅配ボックス設置や
    駐車場劣化の対策も

    このほか、近年注目が集まっているマンションの人気設備が「宅配ボックス」です。ネット通販が身近な存在となったため、住民が宅配便を利用する頻度はますます増えており、宅配ボックスさえあれば、家を不在にしていても荷物を受け取れるため、設置を望む声が年々高まっています。新規入居者の獲得を意識した設備グレードアップという側面からも、宅配ボックスの設置はオススメです。

    また経年劣化の激しい部分にあらかじめ対策を施しておくという工事も人気があります。例えば駐車場設備は、日々の自動車の通行によって急速に床面が劣化します。そのような駐車場の床面に保護材を塗っておくことで、長年美しいまま利用でき、メンテナンスの回数を減らすことが可能になるのです。大規模修繕時に駐車場は盲点となることも多いですが、一度検討されてはいかがでしょうか。

    このようにいくつかの改修例を挙げてみました。「修繕だけでも大変なのに、これ以上工事内容を増やしたくない」という意見もあるかもしれませんが、結局のところ誰もが住みやすい場をつくることが住民の皆さんの日々の満足を高め、資産価値を高める結果につながりますので生活にプラスをもたらす「改修」について前向きに検討してみてもよいかもしれません。

この記事のまとめ

大規模修繕は、改修のチャンスでもある。
積極的にグレードアップを図ることで
マンションの生活価値を向上しましょう。